Part 1:箱根路へ向けて土台を築く夏合宿。「学生主体」で挑む、名門復活への挑戦
この時期の合宿は、チームにとってどのような位置づけでしょうか?
玉城良二監督:この夏合宿は大きく分けて3回、第1クールから第3クールまであります。第1クールは心と身体のスタミナづくり、第2クールは予選会に向けたチーム戦略に基づいた実践的な練習、第3クールは仕上げとして精度を上げる、という形で進めていきます。学生たちにとっては、日々、練習や生活の状況を見ながら選考されるので、常に競い合いながら力をつけていく夏になります。
チームは「学生主体」という方針だそうですね。

キャプテン浦上和樹さん:はい。監督やコーチから言われたことに取り組むだけというチームではなく、自分たちでいろいろなことを相談し、話し合いで決めていくことを中心にチームづくりをしています。そしてキャプテンの自分が全てやるわけでもなく、各学年・各選手が自分の考えを持って取り組んでくれていて、最後に自分がまとめるという流れです。
玉城監督:いろいろなことを自分たちで考え相談して、取り組みを決定し活動しながら軌道修正していく。こちらから与えるのではなく、学生の方から発生してきたものに対してどう手を加えてやれるかという指導を心掛けています。
現在の選手の皆さんの練習状況についてお聞かせください。

副キャプテン犬童慧真さん:7月25日から開始した富士見合宿は、授業が落ち着いた選手から少人数ずつ参加する形でした。雰囲気もまだ和やかで、笑顔もあるようなスタートでしたが、8月2日の野尻湖での合宿が始まってからは、「予選会に向けて」という雰囲気に変わり、ピリッとしてきました。
駅伝ブロック全体では4つのチームに分かれており、僕たち4年生が中心の選抜チームは、「他大学を意識し、ほかのチームに負けないよう」上を目指して練習しています。例年、この合宿は走行距離も増えますし、非常に重要な位置づけになるのは間違いありません。
山崎 丞さん:練習内容的には、例年以上に負荷をかけながら、うまく練習を積んできていると思います。今は、土台作りの真っ最中です。富士見合宿では、まだ本格的な走り込みに入る前の準備段階として、起伏のあるコースを毎日集団で走っていましたが、野尻湖合宿ではさらに一段階負荷が上がっている感覚です。本当に、走行距離は例年以上に積めていると思います。
普段と比べて、合宿ではどのくらいのトレーニング強度になるのでしょうか?

山崎:自分の場合、普段は1週間で120〜140kmくらいですが、この合宿では250km近く走っています。倍近くいきますね。多い人だと2週間で450kmは超えると思います。基本、みんな毎日30km以上は走っています。
Part 2:選手たちが実践するセルフコンディショニングとリカバリー術、そして「アリナミン」の活用
強度の高い練習が続き疲労がたまると、怪我のリスクが高まります。それぞれ、疲れを取る方法やコンディショニングにおいて気をつけていることはありますか?
山崎:「普段通りのことを合宿でもしっかり継続する」ことが基本です。練習の強度に合わせて食事、睡眠などの質を上げることも、できる範囲で行っています。練習後アイシングプールに入ったり、交代浴したり、ということも強度に合わせて取り入れています。
浦上:基本的に食事や睡眠など、リカバリーに気を配ってやっていることはみんな同じですね。チームとして決められていることがあるのではなく、みんな自分に必要なものを自主的に考えて取り入れています。「自分はこうしている」「これは良かった」という情報共有をお互いにし合ったりもしますが、結果的にセルフコンディショニング意識の高い選手が選抜組に残っているように思います。
山崎:選手によっては、定期的な血液検査で鉄分不足をチェックしたり、腸内の細菌叢(そう)の状態をチェックしたりしている人もいます。それぞれの選手が、検査結果に応じて自分に合ったサプリメントなどを摂取しています。特別な寝具を取り入れて、睡眠の質を高めている人もいますね。

田島駿介さん:今日は「距離走」(長い距離を一定のペースで走るトレーニング)だったのですが、僕が気をつけているのは、脱水チェック(尿の色確認)です。夏場は水分が抜けやすくてすぐに脱水になるので、水分補給には特に気をつけています。
犬童:僕は、合宿では普段よりも疲れがたまりやすいので、ご飯をいつもより多く摂ることを意識しています。また、僕にとっては練習後の身体の「ほてり」や「だるさ」、寝つきの悪さが疲労を蓄積している指標になっているので、体調に合わせて試行錯誤しながら調整しています。
それぞれ体調に合わせたコンディショニングをされているのですね。アリナミンメディカルバランスはどう取り入れていますか?

平島龍斗さん:自分は基本、練習前や後に飲むイメージです。練習後に飲むと例えばトイレが近くなりそうなど休息や睡眠への影響が心配なので、練習前だけという人もいますし、取り入れ方もそれぞれの目的に合わせて考えています。薬っぽい風味があり、自分には「効いていそう」に思えて好みです。
山崎:内容量がちょうど良く、練習中・直後に摂取してもお腹に残りにくいのがありがたいです。個人的には、カフェインが入っているのもうれしいポイントですね。そして、冷たいとお腹が冷えそうなので、常温で飲むのが良いと考えています。

監督やコーチは、アリナミン製薬のサポートをどのように捉えていらっしゃいますか?

玉城監督:現場としては、実際にコンディションやパフォーマンスに関連する製品を提供してもらえるのは非常にありがたいです。
日体大は指導者を育てる学校です。授業で学んだ基本的な知識に加え、これまでいろいろ試した中で見つけた自分に合う医科学コンディショニングの方法に、サイエンスに基づいたアリナミン製品が合致していると感じています。このような提携は大学が主体となって選定・契約してくれているのですが、大学の教育方針やチームの運営方針とも一致しており、選手のメリットに直結するアリナミンメディカルバランスのような製品と巡り合えて良かったと思っています。
小野木俊コーチ:練習直後、宿舎に戻って食事を摂るまでの間にすぐ疲労回復のためにアリナミンメディカルバランスを飲めるので、非常にありがたいです。学生たちが製品に配合されている各成分の作用などをもっと理解してくれれば、より積極的に活用できるのではと期待しています。
嶋野太海コーチ:集中力を高めるなどレース前にも活用できそうですね。今学生たちが服用方法を試行錯誤しているので、最適な方法が見つかればもっと有効活用できそうだと感じています。
最後に、今後の展望についてお聞かせください。
玉城監督:次の箱根駅伝でシード権を取るというのが学生たちの目標です。アリナミン製薬さんのサポートを得て、まずは予選会を突破し、本選でシード権を取るべく、学生たちと一緒に努力して、日頃お世話になっている方々にきちんとした形で恩返しがしたいです。学生スポーツは人生を豊かに生きていくための手段ですから、選手たちには、目先の目標だけでなく駅伝を通じて学んだことを、社会でも生かしていってくれることを期待しています。
山崎:自分は、1年生の時から箱根を経験しているので、その経験を4年目の集大成かつエースとしてしっかり発揮することが役割だと思っています。目標は、去年の悔しい思いのリベンジをすることと、後輩に残せるものを残し、強くなってもらうことです。
田島:自分は入学後に競技力が一気に伸び、育成チームを経て選抜チームに入りました。そのような姿をロールモデルとして下級生に伝えていくのが自分の役割です。まずは本選でシード権というのが一番の目標ですが、しっかり予選会で結果を出して本選に臨みたいです。
平島:自分はあまり発言するタイプではないので、練習や大会でしっかり結果を残すことが役割だと思っています。個人的には1区を走りたいですが、チーム状況的に3区を走る可能性が高いと思うので、そこで区間賞を目指します。日本人5位以内を目指して頑張りたいです。
犬童:キャプテンが目指すチームの方向性を、自分が一番初めにみんなに共有して調整していかないといけないと思っているので、積極的な声掛けと走りで貢献していけたらと思います。
浦上:目標は、箱根駅伝でシード権を獲得すること。本学は自分が入学してからまだシード権を獲得できていません。その悔しい思いも含めて最後に目標達成したいです。それが後輩たちへの最大のプレゼントになり、最後はチーム全員が笑顔で終われることを目指ざしています。

Part 3:トップアスリートを育てる日本体育大学の医科学サポート
日本体育大学は、学生アスリートへの支援体制をどのように整備しているのですか?

杉田正明氏:日本体育大学には、学生アスリートの活動を多角的に支援する「アスレティックデパートメント(AD)」という組織があり、その中に「NASS(Nittaidai Athlete Support System)」と呼ばれる独自のシステムが存在します。パフォーマンス分析や栄養分析、心理サポートなど、多岐にわたる専門家が連携し、選手たちのニーズを詳細に把握した上で、個別に最適化されたサポートを提供しています。このシステムは、これまでに多くのオリンピック・パラリンピックメダリストを輩出してきました。
駅伝ブロックへのサポートはいつから、どのようなことを行っていますか?
杉田:駅伝ブロックは、大学内で特に重要な強化種目と位置づけられており、国際トップレベルの選手と同じサポートをNASSから受けています。駅伝ブロックへのサポートは私が自身の研究の一環として始めたのがきっかけでしたが、駅伝ブロックが強化種目とされた2022年度からNASSとしての本格的なサポートが始まりました。
具体的なサポートの例として、日々のトレーニングデータや朝の尿比重(脱水チェック)などを測定し、得られた科学的なデータを選手たちにフィードバックしています。これにより、選手は身体の状態を客観的に確認でき、セルフコンディショニングの意識と知識を確実に向上させています。
また、単に情報を与えるだけでなく、選手や監督・コーチ陣との密な対話を通じて、それぞれのニーズに合わせた解決策を見つけられるよう導いています。駅伝ブロックのコーチの中には、大学院時代に私のゼミで医科学を学んだ者もおり、彼らが選手と科学的な知見の橋渡し役を担うことで、チーム全体にサポートが浸透しています。腸内細菌の分析や、共同研究としてインソールの効果を検証するなど、最先端のスポーツ医科学を実践の場で活用しているのも特徴ですね。
アリナミン製薬のサポートにはどのような期待をしていますか?
杉田:アリナミン製薬さんからのサポートは、我々が目指す医科学サポートをさらに強化してくれると期待しています。特に、過酷な練習が続く長距離走選手にとって、疲労回復は最も重要な課題のひとつです。食事だけでは補いきれない栄養素を、科学的根拠に基づいた製品で手軽に摂取できるのは非常にありがたいことです。アンチ・ドーピング認証も取得されているため、安心して利用できますし、このような機能性の高い製品が選手のパフォーマンス向上に大きく貢献してくれると確信しています。
Column
疲労の回復・予防、集中力の維持・改善、食欲不振時の栄養補給に。アリナミンのゼリー状飲料*「アリナミンメディカルバランス」

写真左から、〈ソーダ風味〉アリナミンメディカルバランスT、〈グレープフルーツ風味〉アリナミンメディカルバランス、〈グレープ風味〉アリナミンメディカルバランスS、〈アップル風味〉アリナミンメディカルバランスN (指定医薬部外品)
*流動性のある粘稠なゲル状の液の製剤
1. 「疲労回復」を科学する
「疲労の回復・予防」の効能を有したパウチドリンクとして国内で初めて製造販売承認を取得した製品。カラダや脳のエネルギー作りを助ける抗疲労成分フルスルチアミンに加え、ビタミンB2・B6、タウリン、ローヤルゼリーなどを配合。疲労の回復、集中力の維持・改善に効き、⾷欲不振時の栄養補給にもおすすめ。
2. 独自の有効成分を配合
有効成分のフルスルチアミンはアリナミン製薬(旧武田薬品工業)が開発したビタミンB1誘導体。ビタミンB1の弱点を克服し、体内への吸収性、組織への移行性、体内での復元性を高めている。また社外の研究機関(理化学研究所や筑波大学、東京大学)と共同研究を行い、フルスルチアミンの体内動態や新たな作用の研究を進めている。
3. 好みに合わせて選べる4種の風味
それぞれおすすめのフレーバーをご用意。グレープフルーツ風味、アップル風味、グレープ風味は、疲労の回復・予防に、ソーダ風味は、集中力の維持・改善におすすめ。一袋当たり109kcal。
4. 多様なシーンで気軽に取り入れられる
いつでもどこでも飲めるパウチタイプ。運動・仕事・勉強時におけるカラダや脳の疲労、⾷欲不振時や病中病後の体力低下時等の栄養補給など、多様なシーンで活用できる。
5. アスリートに安心を提供するアンチ・ドーピング認証
アンチ・ドーピング認証(INFORMED CHOICE)を取得済み。INFORMED CHOICEは、世界ドーピング防止機構(WADA)の禁止物質リストに示された物質について製品を継続的に検査するプログラムであり、アスリートにとってより安全に使用できる製品の指標となっている。
取材・文/TORCH編集部 撮影/下山展弘